ガスケットは、液体やガスが漏れないようにバリアを形成します。
密閉状態が長時間続き、漏れを完全に防ぐガスケットが正しいガスケッティングです。
そのために、使用されるガスケット剤はガスや液体に耐性があり、またできた製品が操作中に晒される温度や圧力にも十分に耐えうる性質を持っていなければなりません。

フランジガスケットには3つのタイプがあります。

1 紙、ゴム、コルク、金属などを使用した従来型の圧縮型プレカットガスケット。
2 フォームインプレイス(FIP)ガスケットはフランジの組立前にフランジの片方に塗布される液状タイプのシール剤です。
このタイプは組立後にフランジの間で広がり硬化し、隙間やキズ、表面の凸凹を埋め、耐性のあるシール面を形成します。
3 キュアインプレイス(CIP)ガスケットは液状でトレーシング器具を使用してフランジの片方に正確なビード状に塗布されます。
その後、紫外線を照射し硬化させると、エラストマー状に硬化しフランジ表面に接着します。
フランジ組立時にガスケットが圧縮し、シーリング効果を得ることができます。
それぞれのフランジで正しいシーリング性能を得るためには、多くの要因を考慮する必要があります。
次のチャートをたどり、正しいガスケット剤を選択してください。
お客様のガスケット剤使用環境に合わせた、一般的に正しいと思われるガスケット剤のカテゴリーを選択することができます。
ここで得られるデータは、それぞれのカテゴリーの一般的な性能を示しており、ひとつひとつの製品の性能は異なることがあります。

このチャートを使ってガスケット剤を特定したら、必ず試験を行ってください。
実際に使用する接着剤を選ぶ前には、必ず使用するパーツで試験を行ってください。

ロックタイトでは、接着剤・シール剤のスペシャリストがお客様の使用に適した新しい接着剤を開発します。
または既存の接着剤やその使用方法を見直し、性能を向上させコスト削減のお手伝いをします。
また、ヘンケル技術センターでは、お客様が実際に使用するパーツを用いて試験を行うこともできます。

タイプ比較 ガスケットタイプ
フォームインプレイス
嫌気性
フォームインプレイス
シリコーン
キュアインプレイス
シリコーン
特 徴 フランジの剛性を改善
長いオープンタイム、高いシール性
高ギャップでのシール性
即シールテスト可能
高ギャップでのシール性
使用注意事項 高ギャップに不適 短いオープンタイム 塗布装置が必要
タイプ別特性表
使用温度範囲の目安(℃)
標準品 -40〜150 -50〜200 -50〜200
耐熱製品 200 260 260
液体シール性
オイル
水/グリコール
燃料 制限あり 不可 不可
トランスミッションオイル
即シール性 低圧 低圧 高圧
対応フランジタイプ 剛性用 剛性・プレス用 剛性・プレス用
対応フランジ素材
金属
プラスチック(注1) 不可
製品説明
成分構成 一液 一液 一液
硬化原理 嫌気性 RTV 紫外線/RTV
硬化温度 室温 室温 室温
硬化時間の目安
初期硬化 15〜30分 15〜30分 15〜30秒
完全硬化 24〜72時間 24〜168時間 30秒
塗布方法
手動 不可
自動
注1 未硬化の接着剤は、ポリカーボネート、アクリル、ポリスルホンなどの熱可塑性樹脂に対し、ストレスラッキングを発生させる可能性があります。