上手に接着を行うには、接着方法を正しく守ることが何より大切です。
上手に接着できない場合、その原因が接着強度にあることは稀です。
多くの場合、被着材の下準備が適切でなかった、または、接着剤の選択が誤っていたことが原因となります。
接着剤の選択の際、最も注意しなければならない事項は、その接着剤が晒される環境です。
使用環境を正しく把握すると、正しい接着剤を簡単に選択することができます。
その上に、接合部の形、被着材の材質、荷重量、ストレスサイクルなどを考慮していくと、シリーズの中でも正しい製品を選択することができます。

正しい接着剤を選択するために、下のチャートをご参照ください。
お客様の接着剤使用環境に合わせた、一般的に正しいと思われる接着剤のカテゴリーを選択することができます。
ここで得られるデータは、それぞれのカテゴリーの一般的な性能を示しており、ひとつひとつの製品の性能は異なることがあります。
このデータの情報に基づき、少なくとも2つのカテゴリーを選択することをおすすめします。
その後、それぞれの製品の性能についての記述をよく読みながら、選択肢を狭めていってください。

このチャートを使って接着剤を特定したら、フルスケールで使用する前に、必ずパーツを使った試験を行ってください。

我々は、接着剤・シール剤のスペシャリストがお客様の使用に適した新しい接着剤を開発します。
または既存の接着剤やその使用方法を見直し、性能を向上させコスト削減のお手伝いをします。
また、ヘンケル技術センターでは、実際のお客様が被着材として使用するパーツを用いて試験を行うこともできます。

分 類
接着剤分類
シアノアクリレート系 エポキシ系 紫外線
硬化型
シリコーン系 アクリル系 嫌気性
特 徴 ゴム・プラスチックに優れた接着 用途に応じた多品種製品群 ガラス・プラスチック等の秒速接着 耐熱性と柔軟性に優れる 耐衝撃性優秀 早いセットタイムと耐衝撃性良好
使用注意
事項
耐薬品性に注意 二液混合の場合ポットライフあり 紫外線照射器必要 高強度接着に不向き 二液混合の場合ポットライフあり 注3
使用温度範囲(℃)
標準品 -55〜80 -55〜80 -55〜150 -55〜200 -55〜150 -55〜120
耐熱製品 120 135 175 316 200 230
耐薬品性
エチレングリコール、アセトン - 注1
IPA等
モーターオイル、トルエン -
ガソリン、ATF等
材質別
接着性
金属
プラスチック
(注2)
- -
ガラス -
ゴム - - - -
- - -
引張せん断
強度
剥離強度
引張強度
柔軟性 非常に高い
樹脂硬さ やや硬 柔らかい やや硬 やや硬
製品説明
成分構成 一液 二液混合 一液 一液 二液混合 一液 注3
硬化温度 常温 常温 紫外線/
可視光
常温 常温 常温
固着時間
平均 60秒 35分 30秒 25分 20分 1〜5分
即硬化タイプ 10秒 3〜5分 5秒 10分 1〜5分 10秒
硬化時間 24時間 12〜24時間 30〜60秒 24時間 24時間 24時間
硬化隙間
推奨(mm) 0.025〜0.075 0.1〜0.15 0.05〜0.25 0.1〜0.15 0.25〜1.0 0.05〜0.1
最大(mm) 0.25 3.1 6.3 3.1 12.7 1.0
混合塗布機対応 無し 有り 無し 無し 有り 無し
紫外線/可視光硬化型対応 有り 無し 有り 有り 無し 有り
注1 シアノアクリレート系はプラスチック接着において優れた耐湿性を示す。
注2 未硬化の接着剤が熱可塑性プラスチックに長時間触れるとストレスクラックを起こすことがあります。
(ポリカーボネイト、アクリル、ポリスルフォンなど)使用前に確認をお勧めします。
注3 製品によっては、プライマーの使用を前提とするものがありますので、ご確認ください。
分類別特性表 接着剤